Archive for 11月, 2007

ここは神保町

木曜日, 11月 1st, 2007

今の勤務地・神保町は、古本の街として有名だけど、わたしはとかく喫茶店が多いとかカレーがうまいとかそんなことの方にばかり頭がいっていて、利用するとしても通りに出ている青空古本市をひやかす程度のこと。
そんな古本の街の年に一度のお祭りが、先日あった。あいにくの大雨。季節外れの台風が関東地方を直撃していて、せっかくガタヤマから古本市目当てに上京していたKくんもずた濡れになって街を歩き回ったそうな。夕方まで働いたあと、私は大雨の中Kくんをキャッチして帰宅。家人はぬくぬくとテレビなんて観ながら「雨で大変だったでしょー」、大変なんてもんじゃない大雨で歩道は川状態だったのよ、Kくんは靴の中までぐしょ濡れで、すぐに着替えを出してあげたり風呂をすすめたり。すばやく酒のつまみを準備して、ビール→日本酒→ワインと、家中にある酒をあらいざらい飲んで気がついたら午前4時。なぜにこれほど話が白熱したか?Kくんはドキ山のスタッフなので、われわれから水責めならぬ袋叩きにされたのだった。私たちが受けた仕打ちをああでもないこおでもないと言ってやったのだ。が、これが誤算。私たち以上に鬱憤のたまったKくんが逆切れ状態で、ドキ山について語り始めてしまったのだった。そのために、午前4時。私、翌日早番で9時出勤だったのだけど、それから寝たので、朝はまだ自分が酒臭かったよ。
昨日の雨がうそのような、台風一過の快晴の朝。よたよたと神保町にたどいついたら、人、人、人。いつもは土日は人通りも少なく、静かで落ち着いた街なのになんだこりゃ。古本市がこれほど混雑する大イベントだとは知らず、二日酔いのよたよた30女は、朝から血の気多いおじさんたちをかきわけて職場へ向かったのだった。
しかし、本好きも映画好きも、どうしてこうおじさんが多いかね?ずっとそう思っていたがしかし・・・本好きと映画好きのおじさんたちのにおいは、やや違うんだなこれが。神保町で働いたおかげで、どうでもいいこんなことに気がついた31歳の秋。
『二人の息子』★★★★★・・・今年出会った監督で最高だと思っている千葉泰樹監督作品。きらきらしていない加山雄三に、ぎらぎらしていない宝田明。この二人の兄弟の家族の物語。兄弟や親子の関係でどうしても矯正できないゆがみが発生している家族で、そのゆがみをみんなが知りつつ見ないふりして放置しといたがために、それらが誘発した大きな亀裂のせいで、関係する人々をどんどん不幸にしてゆくという、人間蟻地獄のような恐ろしいお話。ある家族のお話なのに、これほどに人間とは恐ろしいものなのだといわれてしまうという、まるで恐怖映画なのだ。しかし救いがないわけではなく、人が起こしたことは人の手でどうにかできるのにね、というオチつきで、広げた風呂敷きれいさっぱり片付けられて映画が終るという妙技。この差し伸べられた手におちおちすがるわけもいかないので、自分なりの答えを探りながら家路に着く。一生忘れないね、この映画。やっぱりわたしにとっての今年は千葉泰樹の年なのだ!
『美貌に罪あり』★★★★・・・美貌には罪があるんだけど、自覚がないのがまた罪なんだよね。聾唖の娘を演じた野添ひとみが素晴らしくて心奪われた。屋敷で杉村春子が踊る盆踊りのシーンがどきどきした。ラスト、山本富士子と勝新が踊るおかしな創作日本舞踊?にも心ときめく。
『鰯雲』★★★★・・・二日連続、美しい田園風景に渦巻く悪しき農村部の慣習なんやかんや騒動モノ。しかし、やじうま根性そそられる内容であるのに下品でないのは、成瀬作品はどうやっても上品になってしまうのよといういい証拠なのか?・・・とは言っても、語れるほど成瀬作品を観たことがないのでよくわからないのだけど。司葉子が意外にも農家の娘が似合っていたのには残念感があったし、杉村先生が出てくるとどうも場面が引き締まるのはしょうがないことで、なんだかオールスター映画なので完成されている感に安心して観てしまえるつまらなさもややあったりした。どうにもこうにも。

若松孝二レトロスペクティブ:テアトル新宿オールナイト上映

金曜日, 11月 9th, 2007

先日開催された東京国際映画祭でも日本映画の中では一番の注目作だった若松孝二監督最新作『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』。その公開記念のオールナイトイベントが月1で開催されるそうです。ゲストも超豪華!さすがは若松孝二!若松さんでないとこんな面子のイベント毎月開催なんて~ありえないでしょ~。
■“若松孝二・レトロスペクティブオールナイト” at テアトル新宿 ※今月より年明け2月まで毎月開催予定。

映画監督佐藤真を偲ぶ:ドキ山金曜上映会

金曜日, 11月 9th, 2007

今年も嵐のような映画祭が終わって、まだ後遺症になやまされているというのにもう金曜上映会がはじまる=映画祭も日常にもどりつつあるということのようで、早く自分も立ち直らないとなと思っているところ。このたびの傷は深いのよね、結構。
■金曜上映会「映画監督佐藤真を偲ぶ」
2007年11月9日(金)14時/19時(2回上映)
『阿賀に生きる』+「山形映画祭93’での佐藤監督(ビデオ映像)」
なんともいえませんね、記録を残す側の人間だったはずの方の、お元気だった頃が記録された映像をみるという。。。なにはともあれ、わたしも『阿賀に生きる』は大好きです。今年初めて映画祭に参加された若者たちよ!佐藤監督とは出会えなかったけれど、佐藤監督の作品と出会う絶好のチャンスなので是非足を運んでください!

後遺症

金曜日, 11月 9th, 2007

書きますよ、映画祭日記のつづき。書こうと思ってはいるのだけど、
①バイトが忙しい。
②今でも毎日のように映画祭の夢をみるので、リアルにトラウマ化しつつあり、意図的にいろんなことを思い出して考えたくない。
③いも煮会を開催するために気忙しかった。
そんなわけで、無事東京いも煮会が終了した。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
ドキ山2007参加者で親しい仲間たち(いわゆる“被害者の会”と呼ばれるズベ公仲間)が山形から大阪からそして東京都内から集まってきて、すっかり秋めいて寒々した都内の川沿いの公園にていも煮を作って食べたのだった。7月に退社した劇場の送別会でプレゼントされた七輪を持ち出して、干物フルコース、いろいろ焼いて食べた。酒は種類いろいろ4升くらい準備。
あ、このいも煮会についても、おもしろかったのでレポをきちんと書こうかな。
巨匠・zezeもやってきて、七輪の火をおこしてくれたり、なにかと楽しく、大変だった日曜日。しかし、こういう日が1日でも多く過ぎてゆくと、映画祭の後遺症も薄れてゆくのかなと思ったり。どんどん捨て去りたいな、あんなこんな記憶。邪念をはらうためには、記憶自体を消し去るしかないのだ!
そんなわけで。
しかしさ、こんなに夢にまでみるって、なんだかんだいって私、まじめに映画祭のこと考えたりしてるじゃん、と、自分にがっかりする。こんな風に意識下においていてはいつまでたっても抜け出せないのだよっ。けっ。

ドキ山出稼ぎ日記2~長い長い開会式の1日

水曜日, 11月 14th, 2007

映画祭の舞台裏赤裸々日記。開会式のあった初日は、それはそれは長い長い1日だったのです。。。

「やまがたと映画」特集、再び:金曜上映会

水曜日, 11月 14th, 2007

今年の山形映画祭では、予想以上に人気があって会場におったわたしたちがおどろきおののいた「やまがたと映画」特集。見逃した方々のためにアンコール上映を!と、確かに開催中から話はあったけど、対応早すぎません(笑???
■山形国際ドキュメンタリー映画祭 金曜上映会
2007年11月16日(金)14時/19時(2回上映)
「2007アンコール~戦前のやまがたを見る」※上映作品詳細はHPをご覧下さい。
満席でお断りしたみなさま、あの時はほんとにごめんなさい。この機会にどうぞご覧下さい。

爆音ラモーンズナイト:吉祥寺バウスシアター

火曜日, 11月 27th, 2007

山形の音楽ファンにだってすっかり周知のイベントとなっているらしい、吉祥寺バウスシアターの爆音ナイト。このたびは伝説のバンド・ラモーンズの、トリビュート・ライブ・ドキュメンタリー映画『TOO TOUGH TOO DIE』公開記念として、“爆音ラモーンズナイト”なんだから、いつも以上に音楽好きにはたまらない企画になっておりますよん。
■爆音ラモーンズナイト 2007年12月8日(土) at バウスシアター
※初日のみオールナイト上映、以後一週間限定レイトショー

王兵(ワン・ビン)監督特集:アテネフランセ文化センター

火曜日, 11月 27th, 2007

今年の山形映画祭2007で最高賞を受賞した王兵監督『鳳鳴(フォンミン) — 中国の記憶』の上映会が東京で開催。でもね、蓮實重彦氏の講演付きだから激混みだと思うんだよね。いやだなあ。単純に映画だけ観たいのになあ。
ちなみに、4年前にこれまた山形にて最高賞を受賞した同監督作品『鉄西区』もこの機会に上映がありますので、未見の方はこの機会にこそぜひご覧下さい。ま、これも、9時間の映画なので~アテネの椅子では大変だよねええええ。やはり1本の映画なので、1部から3部まで通して見ることをおすすめしたいですが、今回は1日2部づつの上映なので、ま、順番は1部2部3部と追ってご覧になった方がいいと思うし、ま、予定に合わせてとにかく途中で挫折することなくすべてご覧になられることをお祈りするばかりです。…こういう映画はやっぱり、1日拘束状態で拷問のように観るのが一番なんだ!
■アテネフランセ文化センター

『全然大丈夫』

水曜日, 11月 28th, 2007

『グループ魂のでんきまむし』という伝説の映画を撮ったまま、どこへ行ってしまったのかと心配していた藤田容介監督、待!待!待望の最新作『全然大丈夫』がお正月第二弾公開されます。私は特に大人計画びいきではないのですが、『グループ~』の監督はえらく才能のある人だろうなあとこの映画を観た時からずっと思っていて(根拠はよくおぼえていないけど、わけがわからないなりに凄みのある映画だったように記憶している)、次はどんな映画を撮るのかなあとずっと楽しみにしていたのでした。大人計画にゆかり深い方なので、やはり今回も同劇団員の荒川良々さんを主演に迎え、木村佳乃が木村佳乃らしからぬ顔で登場する気配の予告からとても楽しみにしています。
■『全然大丈夫』
この機会に、どうにか権利問題とか大人の事情をクリアーにして、あの名作『グループ魂のでんきまむし』をソフト化できないものでしょうかねえええ。

吉原・おとりさま見物

金曜日, 11月 30th, 2007

今年ははりきって浅草の大鳥神社まで行ってきた、おとりさま。樋口一葉が書いていたのを読んでも、いにしえからものすごい混雑だったのだろうけど、初詣でもこんだけ並んだり人込みにまみれたりという経験はなかったから、とても驚いたし参ってしまった。並んでいる途中で、七味とうがらしを買ったり、まるで学生運動をしずめるかのごとくかたぐるしくも攻撃的な説得口調の警察のおかしなアナウンスに耳をかたむけたり、前に並んでいるおじさん団体が携帯で相撲中継を見て盛り上がっているのでそれに参加してみたり。入場制限なのでしょうがない。ぴくりとも列は動かない。が、境内に入ってみると、列は参拝する人の列で(当然か)酉の市見物の列ではなくて、すぐに列から外れて市の見物にうろうろ。すごいなあ、歌舞伎役者御用達の店や石原一族御用達や、よく見ると飾りにも買い手にも個性がある。が、弱小庶民の我が家は大鳥神社社務所で販売しているシンプルな熊手700円を買う。来年こそは!商売繁盛を祈願。帰り道、露店の誘惑に負けないように歩いたけど、寒いからさあと言い訳して熱燗を買って飲みながら歩く。すっかり日が暮れて、千束方面は人影はないのにネオンがギラギラ。たまたまガタヤマから遊びに来ていたので同行したKくんに吉原にある喫茶店とかソープとかのしきたりを説明しながら浅草へ。
浅草へ出てみたけれど、夜もふける一方の浅草はなんだか地元の人のディープな空間になっていて、いつもの神谷バーもパンパン満席で席空く気配もなく、良く行くラーメン屋で3人晩飯をとり、スタバで珈琲飲んでいたら、Kくん渋谷へ移動する時間オーバーしていて、あわてて私も近道案内役で急遽同行して、銀座線。
Kくん、ユーロスペースに山本直樹のトークを聞きに東京に来ていたのだった。なのに、開場ぎりぎりにユーロ到着。整理番号2番だったのに。しかも満席。
映画も入れなかったし、ひとり帰宅。
このところは、映画もぼちぼち、散歩生活もぼちぼち、なにせ週6でアルバイト。師走はもうちっとゆっくりと、今年の反省とかしながら年越しを考えたいなあとか思っているのに、来月のシフト表見たらげっげっげっ・・・シネマ忍者のことも、もう少し真剣に考えねばなあ、という年末である。
『めし』
『小早川家の秋』
『無用』
『東』
『わたしたちの十年』
『喜劇 女は度胸』
『新しい背広』
『サラリーマン出世太閤記』
『女の中にいる他人』
『妻の心』
・・・このところは小林桂樹特集at新文芸坐に通っていました。ご本人登場のトークも見せていただきましたが、お元気そうでなによりでしたよ。まだまだ現役でがんばってほしい!さほどファンでもなかったのに、池部良特集の時と同様、特集が終わる頃にはすっかり大ファンになってしまうんだなあこれが!『女の中~』の小林氏は特に素晴らしかった。冒頭、濡れた路面を踏みしめるように一歩一歩歩くシーン、あそこから唸ってしまう素晴らしい演技です。
とは言いつつも、『喜劇 女は度胸』の衝撃にはどれもかなわないなあああ、というのが本心だったり。えへ。

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