中に入って受付してクロークに預けてトイレによって、階段を登り、かわいらしいフェイスさん(椅子に座ってる人、毛布を足に掛けている)を無視してある作品では立ち止まり顔を近づけ、ある作品をは早足で駆け抜け、1歩進み、3歩下がり、扉を開け椅子に座りビデオを観たり、ガラス越しに見える庭で遊ぶ子供達をぼんやりと眺め、宇宙を感じて「さようなら」なんて独白してみたけれどもちろん誰も周りにいないのは事前に確認済みなので誰からも訝られることはなく、ぐるりと回って階段を1歩降りて1歩昇って、それにも飽きて足の向くまま気の赴くまま水戸芸術館・現代アートセンターを回ったわけで、ございます。
2時間と30分。時間の経つのは本当に早いのでございますよ。
印象に残ったのは、まぁ全てが何かしらの光るモノを持っていたのですが、ここではスペースが足りませんので1作だけ。
一番オモシロかったのはイギリスのNick Relph & Oliver Payne(ニック・レルフ&オリバー・ペイン )の「ミックステープ」。
これは20分強のビデオ作品でした。
集中力が短いことには自信満点な私が、飽きもせず2回(40分)も観てしまった本作はなんと2003年ヴェニス・ビエンナーレの若手作家部門で最優秀賞作品。
PVみたいに曲に合わせてカットが切り替わってゆくのですが、曲とカットがシンクロする気持ちよさが集中力をぐいぐいとひっぱってゆくのですよ。ストーリーはほとんどありません。子供達であったり、ディスコで踊る人々であったり、ペットのカメと散歩する青年だったり、キスする恋人達であったり…。ミックス・テープというタイトルが示すように生活している人々の日常が切れ切れにミックスされます。
ダブ的ともいえる曲は昔風の2、3分の原曲をリピート、オーヴァーダビング、カット・アップなどで22分まで長くしたもの。曲も2人が作っているものと思っていたのですが、後で調べてみましたらTerry Riley(テリー・ライリー)という現代音楽家がHarvey Averneの「You’re no good」というブーガルーをリミックスした曲だそうです。その名も「You’re no good」というから面倒だなぁこりゃ。リミックスとはいってもテープとエフェクタを利用したもののようでした。
だから考えようによっては、これはテリー・ライリー「You’re no good」のPVだとも考えられるわけですな。
勢いのある歌が機械的に反復されること、それが映像と組合わさることで作品の雰囲気が不気味にすら感じられるのですが、時にその不気味感が魅力的にも感じられ、夜のクラブなど、怖いけれど楽しみ…といった都市の雰囲気、そしてそこで日常を生きる人々の些細な営みの痛さが上手くでていましたよ。
彼らはこれからPVなども撮ってゆくでしょう。注目です。
そうそう会田誠も「スペース・ウンコ」「スペース・ナイフ」と千羽鶴で作ったUFOなどを展示していました。やはり画集で違って迫力がありますね。
■Nick Relph and Oliver Payne(たぶん公式)
■Nick Relph and Oliver Payne: The Essential Selection - Review by Donald Goddard
■KMA: Oliver Payne Nick Relph
●The Harvey Averne Dozenの原曲「You’re no good」は「Viva Soul」というアルバムに入っているらしい
●Terry Riley “You’re no good”のサンプル
●Terry Riley “You’re no good”(Amazon.co.jp)
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